天道がよくわかる本

57 地獄の浄化

罪を清算し、清らかな魂へ


 気天界、象天界、地獄界、この三つの世界を廻り転生を繰り返すことを三界輪廻と言いますが、象天界以外の二界は霊界すなわち気の世界であり、象天界とは表裏一体の関係にあります。気天界と地獄界はどちらも気の世界ですが、気天界はプラスの気、軽く清い気の世界であり、地獄界はマイナスの気、重く濁った気の世界です。
 以前、ご聖訓にてご神仏が「あなたならばどちらの世界へ行きたいと思いますか」と問われたことがあります。あなたならどちらを選ぶでしょうか。多くの人は気天界と答えると思います。しかしご神仏は、天道を行じる者であれば地獄界と答えるべきであると言われました。なぜならば、気天界とは今まで積んできた徳を消費する場所であり、あくまでも一時的な極楽でしかないからです。たとえ一時の楽を得たところで、それが過ぎてしまえばまた輪廻の苦しみの中です。それに比べて地獄界は罪の清算の場です。どんなに徳の高い人であっても罪を犯していない人はいません。地獄の苦しみは己れの犯した罪に対する良心の呵責によるものです。あえて苦しみを受けても、それによって清い魂になることができる地獄界こそが素晴らしい世界であり、物事の善悪をハッキリと判らせて頂ける世界であり、理の世界へも繋がる世界、光の世界であると教えて頂きました。また地獄の刑期について、地獄界は象天界とは時の流れる早さは異なり、象天界での一瞬は地獄界での何年にもなります。したがって無間地獄と言われるように、刑期はまさに限りがありません。その者が罪に気付き反省した時に終わると諭されました。
 地獄が恐ろしい場所であると思うのは私たちの持つ悪業のためであり、また罪を重ねないようにするための戒めでもあるのです。
 もっとも素晴らしいのは因縁をすべて清算し、理天へと帰ることです。得道しただけでも理天へは帰れます。しかし、因縁の清算は必ず行わなければなりません。また、人類が今まで作ってきた多くの悪業が累積され、劫数、すなわち劫のレベルが高くなってきているのです。これが極に達すると末劫と言われる大淘汰の時を迎えてしまいます。
 しかし昔から「道劫併降」と言われるように、救いの道と因業清算の劫は共に降されるとあります。劫によって強制的に悪因縁の清算が為されるか、天道という救いの道を歩み、自らの手で因縁を清算するか二つに一つです。このまま悪因縁を重ねれば、気天も象天もなく全てが地獄と化してしまいます。
 毎年、地獄浄化のため、聖妙善院の護摩が焚かれます。この護摩を焚くことにより自らの浄化、因縁解消であると同時に人類の積み重ねてきた悪因縁が解消されます。そして全ての霊界へ救いの光が届くのです。

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