天道がよくわかる本

11 霊の正門、玄関

漢字に隠された玄関の秘密


 玄関(霊の正門)の位置は天の機密になっており、その位置を示すことは天壇の天灯下でなければできません。しかし天機ギリギリでその位置を暗示する事柄はたくさんあります。
 例えば、「眼横鼻直」などはズバリその位置を暗示しています。そして聖人の「聖」の字も王の上に耳と口が書かれていますが、王=玉=魂なので、魂は耳と口の交わる所にあるらしいことを暗示しています。また神道の禊払いの中に出てくる「たちばなの小戸」=「立ち鼻の小戸」=鼻の上に小さな戸があると暗示しています。
 また、その位置を表しているのではありませんが、「悟」という字も玄関を暗示している漢字です。「目・鼻・耳・口」を四門と言いますが、この四つ以外に顔の中にもう一つの出入り口があり、その五番目の口を得て吾となり、それに心を表わすりっしんべんが付いて「悟」となるのです。
また、達磨の「七転び八起き」もそうです。玄関を得ていないと、霊は目・鼻・耳・口から出て四生へと転生してしまいます。すなわち目が二つ、鼻の穴が二つ、耳が二つ、口が一つで合計七、この七つの口から出ると輪廻の世界へ転び、八番目の出入り口、玄関より出ると起き上がることができるという暗示です。 これには守玄と深く関係があります。「四に非ず」と書いて「罪」という字になりますが、おおよそ罪はこの目・鼻・耳・口によって作られます。「迷う」という字はしんにょうに十字が描かれ、さらに四方に散っている様を描いています。これは、十字の玄関に集中しなさい。四門より気を散らせば四方八方に散って走り回り迷うということを、漢字で表しているのです。目に見えることや人の噂等に惑わされることなく、常に玄関に気を集中し物事を判断すれば自然と正しい判断ができ、迷うことがない。それが悟りの境地なのです。


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