天道がよくわかる本

30 土地神

土地を守り治める神様


 天道の供養、儀式においてよく土地神という言葉が使われますが、今回はこの土地神さまについて御聖訓等に記されている内容も含めて書いてみたいと思います。
 一口に土地神と言っても、その地の自然神からその地を管理守護する徳の高いご先祖さま、精霊の類までさまざまです。
 例えば山の神、農神さまは自然神の類であり龍蛇系の神によってその役職が担われています。また、その山に棲む獣や草木も全て山の神に支配されています。特に樹木等は木霊に代表される精霊を宿し、邪悪なものを退ける浄化力を持っています。ゆえに山は霊域、霊場となるのです。
 境神さまは、土地の境界の入口にて双方の土地を分かち、双方の土地の悪しき因縁を断つ神さまです。旅の交通の安全を守るとされる道祖神さまなどがその代表です。
 次に、人と大きく関わりを持つ土地の神さまとして氏神さま、産土神さま、鎮守神さまがあります。
 氏神さまは血縁的な関係にある一族の先祖神あるいは守護神さまを言いますが、昔は一族が同じ地域に住み集落を形成することが一般的でしたので、土地神的な面も持っています。
 産土神さまは生まれた土地の神という意味であり、その人が生まれた土地を管轄領有し、その人を守護します。人は生まれて最初にお宮参り等の儀式を通じてその土地の産土神さまの産子として結縁します。産土神さまと産子との関係は、その者がたとえ土地を離れたとしても切れることはありません。
 鎮守神さまはその人が住居する土地の神さまであり、人々が引越や移転をする際には産土神さまや鎮守神さまの間にて一定の契約が為されています。人は自分で勝手にそれを為しているように思いますが、住む所を決めるにも霊的な働きが大きいのです。
 また、土地神さまの大きな働きとして、その地の不成仏霊を管理封印することがあります。土地神さまの働きによってその地は守られ、治められているのです。
 以上は御聖訓に書かれている土地の神に関する記述を抜粋要約したものです。また道教では、土地神さまを土地公さま(別名:福徳正神)とお呼びして地域、村落、山、田の守護神、五穀豊穣、蓄財の神とされています。土地公さまは土地の神の総称であり、その土地で生前に功徳のあった者が死後、玉皇上帝より任命されてその役職に就き、その働きに応じて昇格や降格が為されるとされています。
 土地一つを取り上げてみても、私たちは知らない内に実に多くの霊と関わりを持っていることが分かります。ゆえに勝手に土地を拓いたり、木を切ったりすると障りがあると言われるのです。
 天道では全ての霊を救うことを目指しています。あらゆる地と道の縁を広め、あらゆる地を霊の働き場、憩いの場とすることが目的です。ゆえに多くの地の土地神との融合が進められています。各地に聖水を撒き、碑を埋めているのもその根回しのためです。


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