天道がよくわかる本
39 水子霊
母の愛を求めさまよう霊体
この世に生を享けることなく亡くなってしまった霊。そしてこの世に生まれたとしても幼くして亡くなってしまった者の多くは水子霊になると言われています。水子霊はこの世の穢れを知らないために純真な霊体ですが、母親の愛を求める思いが強く、また、未成熟であり充分な肉体を得られなかったために、目が見えない、音が聞こえない、手足がない者すらいると言われています。さらには本人が望んだものでないにも関わらず、親より先立つ罪を背負ってしまうのです。水子霊も不成仏霊も三途の川を渡ることができず、四生や六道という修行の場に行くことができません。この世とあの世の境をさまよい続けます。不成仏霊との大きな違いは、不成仏霊がこの世に未練や恨みを抱いて亡くなったものであり、特定の場所や因縁に縛られ自由に動けないのに対して、水子霊は、 穢れなく純真であり未成熟な霊です。そのため如何なる霊界へも入って行くことができます。しかし純真なだけに悪しき念に操られやすくもあり、集団となって事故や災害を引き起こすこととなります。
近年、堕胎などにより水子の数が増加しています。かつては貧困や医療の未発達が水子を生み出す主な原因でした。しかし今は快楽を求めて懐胎し、そして罪の意識なく堕胎することも多く、水子の性質も愛を与えてもらえる者を探してさまよい、水子を生み出してしまう退廃した世相を恨み、自らの存在を証明するかのように依り代を求める傾向に転じて来ております。特に子供たちの校内での暴力や登校拒否、集団による事件などは水子霊の影響であるとされており、さらには水子が大きな集団となった場合、航空機事故など大事故を引き起こすこともあります。
この水子霊を救う方法はただひたすら愛を与え導くしか術はありません。ご聖訓にも示されるように、本来は水子を救う天律などありません。しかし、その水子霊に対して初めて示された救いが平成九年に仏規が降下された水子大霊供養護摩供でした。それも暗闇にわずかな灯火が灯されたに過ぎませんでした。そして地蔵尊王護摩供にてその救いは拡大され、その灯火は次第に増え、水子たちを救いへと導き始めたのです。しかし地蔵尊王護摩供といえど皆の持ち寄った愛の力があって初めてその光を増すことができる護摩です。水子を我が子、我が兄弟として迎え、導くために心のこもった護摩木の奉納をお願いします。
また、水子は有気の世界とも非常に関係が深いとされています。このことはまだ明かにされていませんが、どこへでも自由に行ける水子は有気の世界との壁を破るのに大きな役割を担っているのではないでしょうか。
さらにはヒルコ(蛭子)と呼ばれる霊もあります。このことも明確には示されていませんが、ヒルコはさらに根源的なものであり、古事記にも示されるようにドロドロとして形にならない存在として、海に流されてしまいます。しかし、ヒルコはその後に恵比寿神となって多くの財を持って帰ってきます。
水子霊も同様に救われた後には童子という神となって私たちを護って下さいます。
この水子を救い、水子の生まれない社会を創らねば、私たちの望む理想の世界は創れません。皆の愛をもって水子を救い尽くしましょう。