天道がよくわかる本

40 時は陰陽のめぐり①

時の数え方


 一日も一年も陰陽の巡りによって変化していきます。例えば朝昼夕夜や春夏秋冬などがそうです。朝は夜が明け、陰の気から陽の気に替わる時であり、昼は陽の気に溢れ、正午を過ぎると陰の気が少しずつ増え、夜は陰の気で満たされます。
 同様に一年もそうです。春は陰の気から陽の気に替わる時であり今まで寒い冬を耐え忍んできた動植物がその活動をはじめます。夏は陽の気に溢れ、暑く、活動的な季節です。秋は徐々に陰の気が増し、寂しさを感じさせる季節です。そして冬は陰の気に満たされ、寒く暗い季節です。このように、時は陰陽の繰り返しにより刻々と変化して行きます。
 時の廻りの単位は一日(二十四時間または十二刻)、次に一週間、これは日月火水木金土というように陰陽五行の巡りとなります。次に一月(約三十日)、そして一年(十二ヶ月)、そして次に一世(三十年)。ちなみに「世」という漢字には「十」が三つ含まれるので三十年が一世であり、二十年には「十」が二つ含まれる「廿」の字が当てられます。そして二世(六十年)で干支が一巡するため、これを還暦といいます。故の一世の十二倍の三六〇年が一運、更にその三十倍が一会であり一万八〇〇年です。よく萬八白陽という言葉が御聖訓で示されることがありますが、これは午の会から未の会に至る一万八〇〇年間が白陽時代であることからそう言われるのです。そして更に一会の十二倍が一大元であり十二万九六〇〇年という長い年月で一巡りします。
 このように時は十二や三十の倍数にて繰り返されて行きます。十二は陰陽五行という七つの巡りです。陽「12345」、陰「12345」というように出発点は純陽(陽0)で陽1、陽2~陽5で陽極まって陰の時(時代)に入り、陰を基本に純陰(陰0)、陰1~陰5というように、陰陽五行の繰り返しによって時を刻みます。一大元というこの大宇宙の一日一年とも言える大きな時の巡りの中で、今どこにいるかが分かれば今の時運もよく分かるはずです。
 余談ですが、今私たちが使っている暦は太陽暦ですが、太陰暦すなわち月の動きを基本にした旧暦を用いると、より季節の動きと合ってきます。事実、アパレル業界の一部では旧暦をもとに季節ものの仕入れを決めたり、漁師なども旧暦で潮の流れを読んだりします。旧暦で見た場合の方がより陰陽五行の巡りに合致した数となります。天道の行事が旧暦で行なわれる意味もここにあるのだと思います。


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