天道がよくわかる本
44 天神と地祇
立場の違いによって生じる因縁
六道が個々人の心の内なる意識であるならば、四生因縁は対人関係など、自分と他人との間に生じる意識です。そして天神と地祇の因縁とは、互いの立場の違いによって生じる因縁だと言えます。例えば中央政府と地方自治体との関係です。中央は法令などを定め、それを伝えるのが役目であり、実際に各地にてそれを行なうのは地方の仕事です。天神(中央)は鳥の如く命を運び、地祇(地方)は草木の如く地に根ざして地を覆います。このように天神と地祇は互いの役割の違いにて生じる因縁です。この天神の代表的な霊神が天照大神さまであり、地祇の代表が大国主命さまです。天照大神さまは天皇家の祖先として伊勢の地に祀られる中央の象徴です。大国主命さまは土地神の親方として出雲の地に封印されてきました。また、全国各地にある八幡社の元締めとなる大分県の宇佐八幡宮も地祇の親方です。
この地祇は今までは天神によって封印されてきました。そのせいか出雲大社と宇佐八幡宮では拍手は死を意味する四回であり、しめ縄に垂れ下がるシデも通常の神社とは反対向きに折られているなど、その力を封印している様子がうかがえます。あの有名な出雲大社の大しめ縄も大国主命さまを繋ぎ止めるためのものかも知れません。
しかし今、陰陽交替の時機を迎え、少し様子が変わってきました。天神の力が少しずつ弱まり、代わって地祇の力が強まってきているのです。ですから今、地祇の解放が進み、地方の時代と言われるようになってきました。しかしこれは、天神と地祇どちらが上位かということではありません。また、天神と地祇の立場が入れ替わるということであってはならないのです。そこで今まで天神の許で封印されていた地祇を、天神ともども新たに天命の許に封印しようとしているのです。天命の下の封印とは決して縛り付けることではなく、天神、地祇の力を救霊のために使って頂くことを言います。これは単に天神と地祇のことのみではなく、陰極霊団とそこに捕らわれて山や海など未開の地に封印された霊神なども全て解放し、天命への封印、すなわち帰依して働くことを意味します。あとは私たちがいかにその働き場を与え、天命の許に一つになれるかにあるのです。天神と地祇、この二つが真に融合し、天命の許に働いた時、道は全国、全世界へと確実に根付くこととなるはずです。