天道がよくわかる本
5 献香礼は健康礼
心・体・霊の最大の健康法
天壇に灯火をつけお参りする「献香礼」。壇主の方は日々行なっていることと思いますが、この献香礼こそ正しく行なえば最大の健康法なのです。昔から声楽家や日々お経を唱える人は、長生きであると言われています。長生きは長息のことだとも言われ、腹式呼吸で深くゆっくり呼吸することは心を落ち着かせたり、体に充分な酸素を摂り込んだりする健康的な呼吸です。献香礼の際に行なう、ひざまずいて体を上に下に上下させる運動は、呼吸と組み合わせて行なうと自然に腹式呼吸をする能力を鍛え、体を活性化させます。献香礼では一叩の「コウ」で頭を下げますが、単に頭だけ下げるのではなく、上半身全てを下げ、それと同時に息を吐き出します。この時お腹は自然と縮みます。そして体を起こしながら再び息を吸います。この時は上体が起きるので、お腹は自然と膨らみます。これを献香礼の中で繰り返します。百叩首(三百叩首)の場合は細かく吸う吐くを繰り返すか、一から五まで吸い、六から十までに吐きます。この場合十までに吐き切ってしまうことが大切です。
このように日々献香礼の中で確実に呼吸する能力が養われ、健康になります。さらに、日々献香礼を行なうことで、規則正しい生活のリズムも養うことができます。
そして何よりも神仏に対する感謝と己れを顧みて懺悔し、己れを新たにすること、全ての衆生(人も霊も)思いやる美しい心が養えます。献香礼とは単なる儀礼ではなく、心も体も霊までも健康にするものなのです。