天道がよくわかる本
8 礼服
天の代行者としての威厳を示す服装
はじめて天道の儀式を見て異様に思うのは、天道の礼服の存在だと思います。天道の礼服は中国の服装とか、黒い服というイメージしかないかも知れません。しかし礼服は日本でも古来から用いられている儀礼のための衣装なのです。聖徳太子さまの服装を思い出して下さい。天道の礼服に帯を着け、杓を持ったら全く同じような服装となります。ではなぜ聖徳太子さまがこのような服装をしていたのでしょうか。聖徳太子さまの時代には、政治は政と言って、天の行ないであり、人が人を治めるのではなく、天(神仏)が世を治め、人は天によって生かされると考えられていました。ゆえに政治を行なう者は、天のお手伝い、代行者だからです。この服装は今から三千年以上前、道統祖師のお一人、周公さまの時代に、天に代わって人が何かを行なう時に着用する衣装として定められたのです。
天道で儀式の際に礼服を用いるのは、天道で行なう儀式、例えば得道儀式などは決して人の業ではなく、神仏により直接授けられる秘法であるからです。人はこの儀式を恩師や法律主(関帝さま、呂祖さま)の代行者として執り行ないます。つまり天界にて行なわれる荘厳なる儀式を人の世界にて模しているだけなのです。ゆえに得道儀式等、天道の儀式においては正確さよりも荘厳さが求められます。人が儀礼を間違えたとしても神仏は間違いません。もちろん人は間違わないように細心の注意を払うのが当然ですが、もし間違ったとしても威厳を保ち儀式を荘厳に進めるべきです。天道の礼服は天の代行者としての威厳を示す服装なのです。